3)研修講師に求められるもの
私自身企業中で研修を企画・運営する部署にいるので、多くの研修講師や中小企業診断士の方と接してきました。その経験の中で研修講師として多くの研修会社・クライアントからの発注が多く、リピートも多い講師の共通項的な人物像を下記にまとめてみました。
(1)好かれる講師の共通項
①元気で明るい人:受講生にパワーや元気を与えられる人
②前向き思考な人:クライアントのどんな内容にもチャレンジしてくれる人
③熱意がある人:受講生の成長のために真剣になって考えてくれる人
④時間に厳しい人:研修の場合30分前に会場に来て、事前チェックを行う人
⑤研究(勉強)熱心な人:新しい業界・分野に挑戦する場合、自ら調査・研究してくれる人
また受講生やクライアント先の研修担当からアンケート評価が高い講師の特性として下記があげられます。
(2)高評価講師の特性
①目的を明確にして話す人:研修の目的・狙いを明確にして、話の筋がぶれない人
②受講生と同じ目線になれる人:受講生の仕事面につながっていく講義を、自己の経験を交えて話をして頂ける人
③論理だけでなく具体例・事例で話せる人:単に知識だけ教えるなら本を読めば十分。受講生のレベルにあわせて具体例を用いて話したりできる引き出しの多い人
④様々な課題に対応してくれる人:会社経営者、経営戦略、社員の質によって求められる内容は、常に変わってきます。変化する課題に一緒になって考え、対応してくれる人
⑤安価な講師料でも対応してくれる人
上記は研修を発注する側が講師をみる側の視点でしたが、下記は講師側が研修企画・研修内容・実施時に持っていなければならない視点です。
(3)講師が持つべき視点
①クライアント先の視点(経営者、人事等)
なぜこの研修を実施するのか、何を身につけてもらいたいのか、クライアントの想いを受け止め、クライアントの代弁者として受講生にわかりやすい言葉で伝えること。そして研修はキッカケであり日々の継続が重要である事を伝える。
②クライアント先の上司の視点
日常業務を中断させて研修を受講させるので、何か一つでも成長したというところを見せる工夫が必要。翌日の朝会などで学びと実践することを発表させたりする。そうすれば上司も喜び、自分のメリットになることを伝える。
③受講生の視点
この研修は費用対効果があるのか、自分の成長に役立つのか、などの不安を持っている。この不安を取り除く仕掛けを研修の中に入れていくことが必要がある。
④研修会社の視点
得意先からのリピート注文がくるのは自分の腕次第ということを認識し、常に真剣勝負で研修を実施していく必要がある。